Instant appsとは、Googleがユーザー体験の向上を目的として、ユーザーがアプリをインストールすることなくすぐに実行できるようにしたアプリです。Google検索結果などからURLをクリックした際にその時点で必要とされる機能だけをダウンロードすることで一時的にそのアプリの一部機能を使えるようになります。
これにより、アプリのインストールの手間を省き、高速化が可能になっています。
この記事では、Android Instant appsがどのようなものなのかについてご紹介します。
Instant appsの概要
Androidのネイティブアプリであれば、ユーザーはGoogle Play Storeなどを通してアプリをインストールします。
そのためにはGoogle Play Storeのダウンロードページに行ってダウンロード→インストールという順に進みます。
インストールが完了するまでに何度もタップする上にインストールの待ち時間まで必要になり、そもそもアプリをインストールすることに抵抗があり、インストールをやめてしまうユーザーが多いのが現実です。
一方Instant appsは、ユーザーがアプリをインストールしていなくてもURLリンクなどのクリックによってわずか数秒で起動し、アプリの一部の機能を使用することができるようになります。
ユーザーが機能を使い終われば自動的にそのInstant appsは端末から削除されますが、改めて従来のようにアプリ全体をインストールしてもらうこともできます。
このようなことが可能になるInstant appsは2016年のGoogle I/Oにて初めて発表されました。
With Android Instant Apps, you’ll be able to run any app with one tap, no installation needed. #IO16 pic.twitter.com/QQbJ6xlJCc
— Google (@Google) 2016年5月18日
Instant appsは2017年1月には一部のテストディベロッパー向けにテストをしていましたが、2017年5月より全ディベロッパーが開発可能な技術になっています。
すでに述べたようにInstant appsはWebページからインストール不要で高速かつシームレスに遷移でき、Webページ単体では実現できないAndroidアプリの機能を使えるためユーザビリティの向上が図れます。
また、Googleの検索結果からも起動できますので、Androidアプリ開発者にとっては、SEOなどを通じてより多くのアプリユーザーを獲得できるチャンスにもなります。
Instant appsの使い方
Instant appsを使えるようにするには、まずはInstant appsの利用を許可する必要があります。
Android端末の、設定→Google→instant Appsから、右上のボタンをONに切り替えます。
Instant appsの利用設定についてはこれだけで完了です。
あとはその端末でinstant appsが提供されているURLにアクセスした際に、自動的にInstant appsが実行されます。
ただし、現在のところ利用できる端末と利用できない端末があるようです。
また、Androidバージョンに制限があり、Android 5.0以前では実行できないようです。
なお、上記端末のinstant Apps設定から利用履歴の確認や削除、フルアプリのダウンロードができるほか、今後Instant appsを無効化したい場合には、設定内のInstant appsからボタンを再度OFFにすればOKです。
参考:
Android プレビュー アプリの使用 – Google Play ヘルプ
(このページではAndroid Instant Appsではなく、Androidプレビューアプリという呼称が用いられています)
Instant appsの仕組みと対応方法
アプリ開発者がアプリをInstant appsに対応させるためには、新規でアプリを作成する必要はありません。
代わりに既存のandroidアプリをモジュール化して、アプリの機能の中でユーザーがその時に必要とする一部の機能だけをダウンロードして実行できるようにします。
以下はInstant appsのイメージです。
Instant appsでは、その時に必要となる機能(たとえばFeature1 APK)とアプリのベースとなる機能(Base Feature APK)だけをダウンロードして使用できます。
画像出典:Android Developers
既存のアプリをベースにAndroid APIやAndroid Studioは同じものを使えるため、アプリのアップデートと同じような感覚で開発でき、一般的に4~5週間ほどで対応可能とのことです。
Instant appsの開発が完了したら既存のアプリと同様に、Google Play Developer Console から公開します。
詳しくはGoogleのAndroid開発者ページをご覧ください。
https://developer.android.com/topic/instant-apps/index.html
Android Instant appsとProgressive Web Appの違い
Instant appsと似たような技術にProgressive Web App(PWA)があります。
どちらも高速表示や既存のWebページ単体では実現できなかった機能を使えるようにすることでユーザー体験を向上させることを目的としていますが、ベースとなる技術が異なります。
Android Instant appsがAndroidの技術をベースにしているのに対し、Progressive Web AppはWebページ(HTML5)の技術がベースになっています。
Android Instant appsがAndroid特有の機能であること(iOSではサポートされていない)や、PWAではプッシュ通知など一部の機能がiOSでは使えないなど制限があることにも注意が必要です。
どちらかがどちらかの上位互換になるわけではありませんが、まだアプリを開発していないWebサイトでは、日本でのiOSのシェアの高さを考慮すると、PWAのほうが着手しやすいかもしれません。
PWAについて詳しくは以下のページをご覧ください。
/blogs/pwa/
Instant appsとSEOとの関係
現在のところAndroid Instant appsに対応したからといって検索順位が上がることはなさそうです。
その上で、導入するかどうかの観点や留意点は以下になりそうです。
- ・アプリの機能を即座に使えるようにすることで、検索ユーザーのユーザビリティが高まるかどうか
- ・ユーザビリティが高めることで成果につながるかどうか
- ・iOSが対応していないことについて問題ないか
まとめ
ここまで全開発者に公開されてから日の浅いAndroid Instant appsについてご紹介してきました。
現在のところ対応しているアプリが少ないのはもちろん、対応されているアプリであっても仕組みを知らないユーザーも多いことでしょう。
加えて日本ではInstant appsが使えないiOS人口が多いこともあり様子見の側面も強いかと思いますが、アプリを公開しているオーナーの方は引き続きGoogleの動向を注意しておくことをおすすめします。
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