コンテンツマーケティングを行う担当者の多くは、ユーザー予想を良い意味で裏切って驚きを与えることや、満足度が高い良質なコンテンツ作りばかりに目を向けがちですが、しっかりと戦略を立てることで失敗する可能性を低くできます。
どれだけ高い意欲を持っていても、目的が不透明な状態では、ユーザーの興味を引けない質の低いコンテンツを作成してしまう恐れがあり、その結果会社に貢献するどころか、時間とお金を無駄にさせることにもなりかねません。
今回は、コンテンツマーケティング施策の成否を左右する戦略設計に関してご紹介します。
分析の重要性
3cとは
戦略を立てる上でまず行うべきことは3C分析です。
3Cとは、ビジネスにとって極めて重要な「自社(company)」「競合(competiton)」「顧客・市場(customer)」の3つに関して、それぞれを分析するフレームワークです。
自社と競争相手を比較した際のストロングポイントは何か、めまぐるしく変化する市場の動きや規模を調べたりします。
また顧客が何を望んでいるか、どのような問題を抱えていて、どんな情報を求めているかを正確に把握することも重要です。
競合する相手が持つ商材の強みと弱みなども分析しましょう。
ソーシャルメディアを利用している場合は、投稿したコンテンツ内容やシェアされた数なども調べることで、自社との違いや狙いを浮かび上がらせます。
現状と課題、阻害要因、利点、成功要因を割り出し、ビジネスを成功に導きためにも3C分析は不可欠です。
事業との整合性
会社によってWebサイトを開設する目的が異なるので、コンテンツマーケティングを実施する意味合いも違います。
例えばオンラインショップを行うのであれば、目的は売り上げの向上を狙い、B2CやB2Bを主体にする企業の場合にとっては、展示会への出店や広告に比べ遥かに低予算で済むコンテンツマーケティングを実施する狙いとして、見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)、見込み客の興味を喚起させる(リードナーチャリング)などが考えられます。
また、どの企業においてもコンテンツマーケティングを行う狙いとして共通しているのは、コンテンツを作成しブランドの知名度を向上させることです。
このように、自社の事業戦略とコンテンツマーケティングの整合性があるかどうかを見極める必要があります。
目標設定
コンテンツマーケティングを実施する前に、達成目標を必ずゴール(KGI)を設定する必要があります。
目的を設定することは最も重要で、やみくもに実施するだけでは思うような成果は得られないでしょう。
ゴールを数値化し、そのプロセスを段階ごとに評価することが、コンテンツマーケティングを成功に導く鍵になります。
この施策に対する最終目的をKGI(重要目標達成指数)と呼び、多くの企業が商品の販売・売上増加をゴール設定します。
何年後に現在の何%UPのいくらの売上を目指すなどのゴールを明確にすることで、社内が一丸となって一つの目標達成に向かえるのです。
どうやって目標を達成するか
コスト・売り上げの算出や外部委託時の注意点
コンテンツ作成に必要なコストと、見込利益を計算してROIを予想し算出します。
コンテンツマーケティングは短期間で効果を発揮する施策ではないので、コストや売上の予測の際には長期的な観測が必要です。
また、コンテンツマーケティングを実施する場合、多くの企業は自社スタッフだけでは足りず、まとまった工数を確保するためにはライターやデザイナー、編集者などを外部に委託することになります。
その際には、委託した外部の人に全て任せて自社では全くチェックを行わないなどの、丸投げは絶対に避けましょう。
クオリティを高めるためには、外部から提出されたコンテンツのチェックと監修は必須です。
ペルソナ設定
また、3C分析の結果を基にして、ターゲットユーザー=想定される商品購入顧客を詳細に設定するペルソナの作成を行います。
そしてペルソナ設定は、より詳細に行うことが大切です。
例えば、年齢・性別・仕事の内容・趣味・よく見るメディアや悩みや不安・そして、パソコンやスマホの利用状況やネットリテラシーなどに加えて人物のイメージに近い顔写真も決めると良いでしょう。
ペルソナ設定のメリットは、社内全員が共通認識を持ち、コンテンツを製作することが可能になることです。
もし時間があれば、顧客が購入に至るまでのプロセスを図解でストーリー化するカスタマージャーニーマップを作成すると、より一層顧客理解が深まります。
適切なペルソナ作成は自社のメリットになりますが、誤ったペルソナを設定してしまう可能性もあるので、注意が必要です。
集客チャンネル検討とそれぞれの役割
コンテンツマーケティングの実施にあたり必要不可欠なことは、どこのチャンネルで実施するのかを決めることです。
チャンネルは、サイトやメルマガ、SNSの3つに分けられます。
新たなリード獲得や、獲得したリードを育てる役割を担うコンテンツサイトを基軸にしながら、メルマガ登録をしてもらうように仕掛けます。
そして、継続的にリードにアプローチするためにメルマガを配信しますが、開封率に重きを置いたタイトル作りを心がけましょう。
また、SNSの役割は、ユーザーとのコミュニケーションがメインではなく、コンテンツ配信を中心に行い、サイトへの誘導や情報拡散からさらなる集客を狙います。
このように、3つのチャンネルの位置づけを明確にし、上手く連携・活用し、効率よく集客を行いましょう
そして、最初に設定したKGIの進捗状況を段階ごとに評価し、適切に管理することも大切です。
このように段階的な目標を評価する指数をKPI(Key Performance Indicator)、もしくは重要業績評価指数と呼ばれています。
最終的なゴールに達するまでに、どのような過程を踏んでいるかを項目ごとに数値化して評価することにより、目的地に到達できる可能性を高めることが可能です。
まとめ
コンテンツマーケティングの実施を検討している企業は、長期的なスパンで行う必要があるために、施策実行前の戦略策定が重要になります。
最終的なゴールであるKGI、途中の目標達成度合いを評価するKPIを設定し、3C分析を行い、自社にとってコンテンツマーケティングが本当に適切かどうか、またどの分野を攻めるのかを決めましょう。
そして、いかにして目標を達成するのか、必要になる費用や売上予測を立て、必要に応じてペルソナを決定します。
また3つの集客チャンネル(コンテンツサイト・SNS・メルマガ)の役割と活用方法を整理することも大切です。
また、コンテンツマーケティングを実施したとしても、開始時に定めた戦略通りに物事がうまく運ぶとは限らないので、PDCAを重ねてその都度修正を行い、サイクルを速めることが肝心です。
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