
12月23日に2020年最後のオフィスアワーが開催されました。
Googleの金谷さんとあんなさんが回答した内容をまとめます。
Googleからのお知らせ
YouTubeチャンネル40万人フォロワー
現在英語以外の言語でオフィスアワーは行われておらず、日本語で行われているのは貴重
お二人はこれまでフォローや高評価の依頼をしていなかったとのこと・・・。
おすすめ動画
Google検索、アルゴリズム、品質評価等について紹介されている動画です。
英語なので日本語字幕推奨
コアアルゴリズムアップデート
本日、広範囲にわたるコア アルゴリズムのアップデート(December 2020 Core Update)を実施いたします。本アップデートは年に数回実施されるもののひとつです。コア アルゴリズムのアップデートについて詳しい情報はこちらの日本語記事をご参照ください。https://t.co/r91tpCgz1A https://t.co/bVqLl7lBIC
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya (@jumpingknee) December 3, 2020
日本時間12月4日より展開されたコアアルゴリズムアップデートについてです。
もし下がったのであれば、紹介されているブログ記事をもとにコンテンツを改善するとよい
参考:【速報】2020年12月コアアルゴリズムアップデートの変動事例
Q&A
コアウェブバイタルはモバイル検索のランキング要因か
コアウェブバイタルに関する以下のFAQでの言及を受けての質問です。
“At this time, using page experience as a signal for ranking will apply only to mobile Search.”
https://support.google.com/webmasters/thread/86521401?hl=en
Q.すべてのページエクスペリエンスシグナルがモバイル検索だけでのランキング要因なのか(HTTPSやセーフブラウジングもモバイル検索だけで考慮されるのか)
A.いいえ
いくつかの項目は引き続きページ全体で考慮される
Q.“at this time”はいつのことなのか
A.FAQを公開した時点を指す
ページエクスペリエンスの指標は増やしていく予定であることはコアウェブバイタルを発表した際のブログにも記載されている
拡大するユーザーの期待に応え、測定可能なユーザー エクスペリエンス要素を拡充するため、年単位でさらに多くのページ エクスペリエンス シグナルを導入することを計画しています。
より快適なウェブの実現に向けたページ エクスペリエンスの評価
ページエクスペリエンス
Q.動的配信でPCが悪くSPが問題ない場合、PC検索だけに影響するのか
A.モバイル版だけに影響する
なお、フィールドデータのみ影響することに注意
Q.モバイル版とAMP版で異なる場合はどうなるか(その逆の場合も)
A.AMPキャッシュはオリジンに帰属するものの、どちらのデータも使われるので改善することをおすすめ
※補足
AMP版と通常のモバイル版が存在する場合、AMPが閲覧されるのはGoogleからのランディングページとなる場合だけで、それ以外は通常のモバイル版が閲覧されることが一般的かと思います。
モバイルページを閲覧したユーザーがいればChrome UX reportにデータが送られるので、モバイル版も改善したほうがよいのだと考えられます。
「WEBに関する主な指標」の数値が乱高下
モバイルの「不良」の数が乱高下しているサイトからの質問です。
Q.コアアルゴリズムアップデートと関係するのか
A.関係ない
Q.CLSを改善する改修が行われていないのに数値が突然上がったり元に戻った理由がわからない
A.ロードされる広告の種類にもよるので一概に言えない
以下の記事を参考にしてほしい
https://web.dev/cls/
https://web.dev/optimize-cls/
CLSが発生する5つの条件
・画像や動画にwidthやheightが設定されていない
・広告やiframeなどにwidthやheightが設定されていない
・動的にコンテンツが挿入される
・webフォントがある
・DOMの更新が行われる前にネットワークのレスポンスを待機するアクションがある
※補足
CLSについては、直近で行われたChrome Dev Summit Recap 2020でも取り上げられていました。
Chrome Dev Summit Recap 2020 でのコアウェブバイタルに関するセッションまとめ
URL検査ツールの読み込めなかったリソース
Q.「その他のエラー」と注釈がつけられているが読み込めなかった理由がわからない
A.読み込めなかった理由は1つではない
ファイルの種類はわかるはずなので、原因を見極めるとよい
Googleがユーザーと同じように取得できない場合もある
PCページに設定するアノテーションタグ
Q.アノテーションのmax-widthは640でなければならないのか
max-widthの役割は?
<link rel=”alternate” media=”only screen and (max-width: 640px)” href=”http://m.example.com/page-1″>
A.640でなければならないわけではない
max-widthは幅の最大値
media属性についてはリンク先の文書を適用するメディアを指定しているもの
リンク掲載を促すとリンク違反になるか
Q.リンク掲載を促そうとしているが問題ないか
A.ショートアンサーは難しい
バナーを配っているページ自体は違反にならないと思われる(リンクを受けているページが対象になり、リンクを促すこと自体は違反にならない)
ただし、ページランクを渡すことを目的としてリンク掲載を促している場合には、他の要素も考慮しつつ決定する
リンクを制限するつもりはないが、検索エンジンがなければやらない行為であればやらないほうがよいのではないか
再審査リクエストが承認されない
Q.「Googleの価値のない質の低いコンテンツ」の手動対策再審査リクエストが承認されない
A.コンテンツ改善に注力すべき
このケースでは第三者から見ると、総合的に引っかかる点がある
・ドメイン名(サイトのテーマと無関係?)
・専門性が求められるテーマ(ヨガ)なのに、ヨガと関係ない会社が運営している
・広告やアフィリエイトのマネタイズ要素が多い
Googleの公式ブログより、以下のようなことを参考にするとよいのではないか
・ユーザーの興味に基づいて選択されたものなのか、ランキング上位に入るためなのか
・外注により量産されていないか
・健康についての検索に関し、サイトの情報が信頼できるか
・そのサイトは信頼できるソースであるといえるか
・記事のメインコンテンツを邪魔するほど広告が過剰でないか
新規ページを即座にインデックスさせたい
Q.URL検査ツールによるのが無効になっている間にできることはあるか(※URL検査ツールのインデックスリクエスト機能は12/23に復活しました)
・XMLサイトマップの送信
・内部リンク
A.URL検査ツールは即座にインデックスさせることを目的としているわけではないので、そういう目的で使用しているのであれば他に問題があるのではないか
鮮度が重要なコンテンツにはクロール頻度を高めているため、そういった方向に改めることも意識する
効率的にGoogleがクロールできているかをチェックするとよい(XMLサイトマップ、内部リンク、クロールの統計情報)
インデックス登録を削除された
Q.インデックスが削除される
クロールエラーや重複のメッセージが表示される
rel=canonicalはマークアップしているがステータスが取得できなかった
A.このケースではクロールエラーが問題である模様
robots.txtが見つからなかった(Googlebotがクロールしていいのかわからない)
ユーザーには見える状態になっていても、サーバーやホスティングの設定に問題があるのではないか
クロールとインデックスの問題が発生
Q.site:で表示される or されない、クロール履歴が「該当なし」と表示されるなど、インデックスの問題が頻出する
A.サーチコンソールには現在の状況は適切に配信されている
コンテンツを改善する
URL検査ツールからインデックスリクエスト機能を使用する
Googlebot のAccept-Languageヘッダーがen-USで送信される
Q.現在は同一URLで日本語を含む5か国語をユーザーのAccept-Languageヘッダーで切り替えている
ドキュメント内容(https://developers.google.com/search/docs/advanced/crawling/managing-multi-regional-sites)と一致していないようであるが仕様なのか
Accept-Languageヘッダーを無視するとクローキングにあたるのか
A.この状況で問題は発生しないのではないか
多言語対応はhreflangでやってほしい
URLを変えないのであればGooglebotは英語版を取得するのではないか
厳密にはクローキングかもしれないが、他のデメリットがあるかわからず、おすすめしない。
※補足
ドキュメントには”クローラが送信する HTTP リクエストのヘッダーには、Accept-Language は設定されません”と記述されており、質問者の検証が正しいのであれば確かに仕様と異なるようですが、いずれせよ推奨どおりhreflangによる対応を行うのがよさそうです。
もう少しコンテンツの内容を評価してほしい
Q.コアアルゴリズムアップデートで中身のない記事が検索上位に表示されるようになった
状況
ブログサービスからWordpressにJavaScriptリダイレクトにより移転
元の中身がないページが検索上位に表示されている模様
A.このケースでは、今のところGoogleはリダイレクトを一時的なものとみなしているため、新旧ページを別々のページとみなしており、旧ページの最終クロール表示も4月のまま
そういう状況で評価したもので、ドメイン評価だけで行っているわけではない
記事の作成者に関する構造化データ
Q.ファクトチェックや専門知識のアドバイスを行う監修者がいる場合、構造化データの適切なプロパティがあるか
A.ファクトチェック構造化データを使ってほしい
ただし、検索結果に反映されるわけではない
参考:ファクト チェック
Livestreamコンテンツをインデックスさせる
Q.VideoObjectが正しくてもHTMLに問題がありVideoとしてインデックスされないことはあるか
A.動画のサムネイルcontentsurlにアクセスできない場合にはVideoとしてインデックスされない場合がある
Q.videoのuploadDateは具体的にどの時間なのか?コンテンツをページに反省させたタイミングなのか、ライブストリームの開始日時なのか
A.動画がページに投稿された日時を設定する
※ライブストリームの開始日時とは違うことをGoogleは理解している
参考
・動画のベストプラクティス
・スキーママークアップを使用してGoogleに動画を表示させる
サイトを削除したい
Q.最近作成した同じようなサイト名とかぶっている
A.確認した限り、インデックスされていた形跡がなかった
URL検査やサイトマップで問題を指摘された
Q.「URLはGoogleに登録されていますが問題があります」「サイトマップは読み取り可能ですが、エラーがあります- XMLタグが指定されていません」のエラーが出る
A.このケースでは現在は解消されている模様
サイトリニューアル後、検索結果に出ない
Q.リニューアル後に以下の状態である
・site:で出てこない
・noindexはなし
・sitemap.xmlあり
A.現時点では表示されているのではないか
もともとインデックスされなかった原因として、以前はnoindexが入っていたのではないか
2020年振り返りとまとめ
オフィスアワーができない時期があった
在宅勤務は今後完全にはもとに戻らないだろう
リモートだからこそできることを試していきたい
昨年も言及したように、コンテンツは増え続けている
新しいことをやる必要がある
「よいコンテンツとは何か」ということはより深められるのではないか
→単にテキストの比較だけでなく、誰が言ったのか、どこにあるのか、どのような評判があるのか(特にSEOだけの話でなく)
さらに、それらをGoogleがどのように判断しようとしているかを推測するとよいのではないか
リバースエンジニアリングをするということではなく、ユーザーが探そうとしているもののシグナルをつかんでそういったものには対応していくこと
アップデートもスパムを避けながらユーザーが探している情報を届けるために改善している
世の中の変化に合わせてWebに注力し始めた人を手助けするためにも、引き続き初心者にもやさしいオフィスアワーにしていきたいとのこと。
次回のGoogle検索オフィスアワーは2021年1月28日(月)予定とのことです。