ブログ/サイトを更新してインデックスされたけど、タイトルを間違えてしまい検索結果がおかしいので、すぐに修正したい・・・
「Fetch as Google」 はそんな要望にも簡単に応えられます。
本稿では、Googleサーチコンソールの機能の一つである 「Fetch as Google」 について、使い方および出力されたデータの見方を解説致します。
「Fetch as Google」 とは
「Fetch as Google」 をまったく知らない方のために、まずは簡単に説明致します。
「Fetch as Google」 はサーチコンソールの機能の一つで、Googleの検索クローラをエミュレートし、サイト運営に活用するためにGoogleが提供しているツールです。
機能はシンプルで、URLを入力すると、Googleの検索クローラをリアルタイムで指定のURLに呼ぶことができます。
Googleの検索クローラが取得したhtmlは、 「Fetch as Google」 の画面上で詳細の確認が可能です。これにより、検索クローラがきちんと到達可能か、意図したhtmlを取得できているか、意図した表示になっているのか、などをリアルタイムに知ることが可能です。
また特筆すべき機能として、Googleインデックスへの送信機能があり、ツール上で、Googleに最新の更新データを通知することが可能です。
「Fetch as Google」 を利用する場合、この機能が目的の場合が多く、 「Fetch as Google」 が非常に強力であることの所以となっています。
使い方
ここからは、実際に使い方、そして見方を解説していきます。
クローラを呼ぶ
まずは 「Fetch as Google」 にURLを登録します。
作業はシンプルですので、早速URLを入れてみましょう。URLは相対パスで入れる必要がありますので注意してください。
URLを入力後、クローラのタイプを選択します。現在「PC」となっているプルダウンを選択し、任意のものを指定してください。
クローラのタイプは用途によって変わってきます。
主に使用するのは
・PC(通常のデスクトップPC用のクローラ)
・モバイル(スマートフォン用のクローラ)
の2つだと思われます。
クローラタイプの詳細については、下記のGoogle公式ページもご参照ください。
https://support.google.com/webmasters/answer/6066468?hl=ja
URLおよびクローラタイプを設定した後、「取得」、「取得してレンダリング」のどちらかのボタンを押すと、画面下部のリストに行が登録されます。
「取得」と「取得してレンダリング」の違いについてですが、単純にクローラにhtmlを読み込んで欲しい場合は「取得」、取得したデータが画面でどのように見えているかを確認する場合は「取得してレンダリング」を選択してください。
「取得してレンダリング」の場合、詳細画面で、
・Googlebot ではこのページを以下のように認識しました
・貴サイトへの訪問者にはこのページが以下のように表示されます
という2つの見え方をレンダリングして見せてくれます。
「取得してレンダリング」の場合、「取得」よりも少し時間がかかりますが、「取得」で行えることは全て行えますので、迷ったらこちらを押しても大丈夫です。
以上で 「Fetch as Google」 への登録作業は完了となります。
出力結果を確認する
上記の作業で追加された行のステータスが「保留」というマークから変わったら、クローラの作業が完了したことを意味します。
変更後のステータスはいくつかあります。
主に、
・完了
・一部
・リダイレクトされました
の3つが表示されることが多いかと思います。
「完了」は、文字通り作業は正常に完了していますので、そのままデータを閲覧可能です。
「一部」となっている場合、javascriptやcssなどデータの一部を取得できず、正常にレンダリングできなかった可能性があります。
最後に「リダイレクトされました」と出た場合、入力したURLはリダイレクトされています。
また、わざわざURLを指定するのであまりないかもしれませんが、「見つかりませんでした」と出た場合は、URLが間違っている可能性が高いため、URLを確認してみてください。
それ以外のエラーについては、下記のGoogle公式ページを参照ください。
https://support.google.com/webmasters/answer/6066468#resource_errors
詳細を確認する
クロールが完了したら、行をクリックして、詳細を確認しましょう。
今回は「取得してレンダリング」を押した場合を想定して、話を進めていきます。
「取得」タブについて
「取得」というタブでは、サーバから出力されたデータをそのまま表示します。
具体的には、
・サーバからのヘッダ
・生のHTML
の2つが表示されます。
サーバからのヘッダはソース上の上の部分になり、このようなデータが入っています
(長いため一部省略)
簡単に解説をすると、1行目はステータスコードが記載されています。それ以降はサーバから出力されたヘッダ情報がそのまま記載されています。Vary Http ヘッダや、301の飛び先(location)クッキー情報などもありますので、必要な方はこちらもご確認ください。
なお、ステータスコードについては別記事:「今さら聞けない?!ステータスコードの基礎知識」も合わせてご確認ください。
https://www.sakurasaku-labo.jp/status-code-basic-knowledges/
ヘッダの次に来るのが生のHTMLです。
ソースコードそのままですので、多少見にくいかもしれませんが、スクリプトタグやメタタグなど、見た目で見にくいものが見やすいメリットもあります。必要な情報があればこちらもご確認ください。
最下部にはダウンロード時間が表示されています。
画面の表示速度と関係のある数値ですので、あまりにも遅いと思われる場合は確認してください。
「レンダリング」タブについて
「レンダリング」タブは、「取得してレンダリング」を押さないと表示されないタブです。
ここでは、主に見た目の確認をすることができます。
画面のように、
・Googlebot ではこのページを以下のように認識しました
・貴サイトへの訪問者にはこのページが以下のように表示されます
の2種類のレンダリング結果が表示されます。
どちらも重要な項目ですので、意図した形で表示されているかなどを確認してください。
なお、スマートフォンの中でも個別に iphone / ipad / android と細かく確認したい場合は、サクラサクラボの「スマホキャプチャツール」が便利ですので、ぜひご活用ください。
https://www.sakurasaku-labo.jp/tools/sp_capture
また、ステータスが「一部」となっている場合、画面下部に
・Googlebot はこのページの一部のリソースを取得できませんでした。取得できなかったリソースは次のとおりです
と表示されている場合があります。
広告系のスクリプトやSNSボタンなどでエラーが出ている場合もありますが、それ以外で通常のcssや、必要なはずのjavascriptがここに記載されている場合、正常にレンダリングできていない場合がありますので、必ず確認するようにしてください。
インデックスの送信
最後になりましたが、 「Fetch as Google」 最大の機能である、「インデックスの送信」について解説致します。
この機能は、 「Fetch as Google」 でクロールしたページをGoogleのインデックスにリアルタイムで登録することが可能な、非常に強力なものです。
強力な機能ではありますが、作業は簡単で、「インデックスに送信」ボタンを押すだけです。
ボタンを押すと、
・このURLのみをクロールする
・このURLと直接リンクをクロールする
のどちらかを選ぶことになります。
「このURLのみをクロールする」は、最初に登録したURLのみインデックスさせるということです。こちらは月500件の上限になっており、上限が近くなるとアラートが出る仕組みになっています。
「このURLと直接リンクをクロールする」は、登録したURLと、そのURLに貼られているリンク先URLを全て登録するものになります。非常に強力なものなので、月10件という制限があります。
どちらかを選んだら、後は送信ボタンを押して待つのみです。
正常であれば、しばらくするとURLのインデックスが更新され、最新のデータが検索結果に反映されます。
よくあるミスや注意点
「Fetch as Google」 でありがちなミスをまとめてみました。
絶対パスで送信してしまった
送信フォームには、きちんとURLの前半部分がかかれているのですが、ついうっかり絶対パス(URL)をコピーして貼り付けてしまう時があります。
そんな場合、もちろんアクセスできませんので、エラーになってしまいます。貴重な回数を無駄遣いしてしまいますので、注意してください。
別ドメインのURLを送信してしまった
「Fetch as Google」 は現在作業中のサーチコンソール登録のドメインを対象に行うものです。うっかり別ドメインのURLを貼ってしまった場合、こちらも同様に貴重な回数を無駄にしてしまうことになります。
送信したURLのCanonicalが間違っていた
URLを送信し、ステータスも正常、インデックスの送信もしたのに、いつまでたってもインデックスされない場合、Canonicalの設定が間違っている場合があります。
Canonicalが正しくなっているか確認してみてください。
例:a.html をインデックス送信したが、a.html の canonical に b.html と記載してしまっていた
まとめ
非常に強力なツール、 「Fetch as Google」 について解説してきました。
特にインデックス送信の機能は非常に強力で、タイトルやhtml表記を間違ってしまった場合などに、すぐに修正をGoogleに通知できるため大変便利です。
件数は決まっていますので、乱用はできませんが、ここぞという時に使いこなせるように、きちんと機能を把握して、サイト運営に役立てて頂ければ幸いです。