
SEO対策とは「検索エンジン最適化」のことで、数あるWeb集客手法の中でも、検索エンジンからの成果を最大化することです。基本的にはユーザーや検索エンジンからより評価されるように、WebサイトやWebページの変更・改修を続ける施策を指します。
SEOやその周辺技術はGoogleの進化に伴い大きく変化しており、数年前にはなかった施策も登場するなど、最新技術の取得も欠かせません。
この記事では、検索エンジン初心者にも理解しやすいよう、SEO対策の基礎について解説いたします。
SEO対策の目的
SEO対策について知っている方の中には、SEOの目的はキーワード順位を上げることだと考える方もいるかもしれません。
ですが、本来の目的は検索エンジンからの集客により、売上や問い合わせなどのコンバージョンを最大化することです。
その目的の達成のために、SEO対策ではキーワードの検索順位を上げたり、上位表示されるキーワードを増やしたりすることで、検索エンジンからの集客を増やし、それにより増えた流入を、効率的にコンバージョンさせるための施策を進めていきます.
ですので、目的を達成するために、SEO対策でどのような目標を達成するのかを定めて、どのような戦略をとるのかを検討するのは非常に重要なポイントです。
SEOとSEMの違いとは?
SEOと似た意味の言葉にSEMというものがあります。
SEMとは検索エンジンマーケティング(Search Engine Marketing)のことで、端的に言えば、SEO(Search Engine Optimization)と検索連動広告(リスティング広告)を合わせた概念です。
検索結果ページは通常の検索結果と検索連動広告(リスティング広告)から成ります。
通常の検索結果部分をオーガニック検索結果と呼び、この部分の最適化を行うのがSEOです。
一方で、ページ上部などに表示されている広告が検索連動広告です。配信されるキーワードやターゲット層を指定することができます。
リスティング広告はユーザーが広告をクリックしたときのみ課金されます。
そのためPPC(Pay Per Click)広告とも呼ばれることもありますが、ディスプレイ広告なども一般にクリックごとに課金されるモデルのため、単にPPC広告と言うと誤解を招くこともあります。
リスティング広告にはSEOでは上位表示が難しいキーワードでも出稿後すぐに表示できるメリットがあるほか、取りこぼしを防ぐためにオーガニック検索と補完的に用いられることがあります。
この記事ではSEOに焦点を当てて解説いたします。
SEO対策を始める前に知っておくべき6つのポイント
検索エンジン≒Googleと考えてよい
検索エンジンとは、インターネット上のWebページを検索するシステムのことで、世界中のページから、キーワードに合ったページを探してくるものです。
検索エンジンは複数ありますが、日本においては検索エンジンといえばGoogleである、と考えて問題ありません。その理由を説明します。
以下は日本における検索エンジンのシェアをグラフ化したものです。(グラフはStat Counterのデータをもとにサクラサクラボにて作成)
第2位のYahoo!は20%ほどのシェアがありますが、実際のシステムはGoogleの検索エンジンを採用しています。
そのため、1位のGoogleと合わせて95%以上の検索は、Googleのシステムによって処理されています。
一方、第3位の検索エンジンであるBingのシェアは4%にも届きません。
シェアの低いBingに特化したSEO対策を行うことは非効率である上に、Googleの検索エンジン向けの施策であっても、基本的なものはBingに対しても有効であると考えられます。
そのため、検索エンジン≒Googleとみなして、Googleの検索エンジンに向けて最適化することに注力することがおすすめです。
Googleの使命とは
検索エンジンであるGoogleは、その使命として以下のように言及しています。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにすることです。
Google 検索の仕組み | Google の使命
Googleがその使命を果たすための方法の1つが検索エンジンです。
Googleは検索エンジンにリスティングなどの広告を掲載することで収益を得ています。
Googleが自身の検索エンジンを進化させてよりよいものとすると、ユーザーにとってはよりよいコンテンツが見つけやすくなり、よいコンテンツを公開したWebサイトオーナーは訪問ユーザーを増やすことができます。Googleは検索エンジンをより多くのユーザーに使ってもらえば広告収益を増やすことができますので、これら3者がWin-winの関係になります。
SEO対策は、そのエコシステムの一翼を担う、よいコンテンツ作りのための方法です。
そのようなコンテンツ作りを行っていれば、Googleはその使命に沿ってコンテンツを評価し、ランキングやトラフィックという形でサイトオーナーに報いようとしているのだと考えられます。
検索意図とウェブページの関連性
検索エンジンのユーザーは、何かしたいことがあるために検索を行います。
具体的に何をしたいかを「検索意図(インテント)」と呼び、大きく4つに分けられます。
- 何かを知りたい
- 特定のウェブページに行きたい
- 何かを買う、ダウンロード、予約などのアクションをしたい
- オフラインで近くのお店に行きたい
優れた検索エンジンは、ユーザーの検索キーワードから検索意図を読み取ることに長けている必要があります。
検索意図を理解した検索エンジンは、その回答としてふさわしいページを、コンテンツの品質や関連性の高さを考慮して表示します。
つまり、検索意図に合っておらず、質が低いWebページは上位表示が難しいということですので、SEO対策では検索意図を理解した上でコンテンツを作成し、コンテンツの質を高めていくことが重要になります。
ユーザビリティと検索体験
SEO対策といえば、Googleの評価をいかに高めるか、という施策に注目しがちですが、必ずしもGoogleの評価に直結しなくとも、ユーザーの評価につながる施策も進めていくことが必要です。
たとえば、そのページが閲覧しやすいか、ページを閲覧して満足できるか、そのコンテンツをシェアしたいか、再びそのサイトを利用したいと思えるか、閲覧後のアクション(シェアしたい、予約したいなど)がとりやすいか、といったことが該当し、それらの改善が目標であるコンバージョンや売り上げの向上に寄与するものと考えられます。
このためにはサイトが以下のような状態であることが求められます。
- 使いやすいUI(ユーザーインターフェース)
- 欲しい情報がすぐに見つかるようになっている
- ページの表示速度が速い
- モバイル対応されている
- コンテンツがユーザーの意図を高い水準で満たしている
- HTTPSで接続されており、安全である
- 検索を行い、最終的に満足できる結果が得られた
このような指標の一部はすでにGoogleのランキング要素となっており、SEOとユーザビリティ・検索体験の強化はすでに切り離せないものになりつつあります。
良いコンテンツを作りさえすれば上位表示されるわけではない
SEO対策において重要なポイントとして、関連性・品質・ユーザー体験などを挙げてきました。ただし、これらの水準が高くてよいコンテンツを作りさえすれば上位表示が達成できるわけではありません。
Googleの検索エンジンは、そのアルゴリズムが順位を決定しています。
アルゴリズムにとって、人間と同じような方法でコンテンツを評価することは難しく、機械学習などのアルゴリズム進化によって解消されつつあるとはいえ、Googleロボットが評価しやすい指標を使っていることも事実です。
そのため、良いサイト・良いコンテンツ作りが重要なことはもちろん、Googleに評価してもらいやすくなるような施策を行うことも依然としてSEO対策の非常に重要なポイントになっています。
SEOはブラックな手段ではない
この記事をお読みの方の中には、SEO対策は不正な手段によって検索エンジンでの上位表示を狙うもの、といったイメージを持っているかもしれませんが、それは誤った認識です。
とはいえ、推奨されていないSEOテクニックが存在することは事実です。
このようなテクニックは、Googleの検索エンジンをだますことにより、検索結果を高くするという目的で行われます(これについては後述します)。
このような一部のブラックなテクニックを除く通常のSEO対策は、ユーザーや検索エンジンに良質なコンテンツであることを伝えるためのもので、ユーザーや検索エンジンをだます意図は全くなく、むしろ良質なコンテンツが増えることで、それを見るユーザーにとっても、仲介する検索エンジンにとってもメリットになります。
そのため、Google自身が適切なSEO対策を推奨する立場となっており、そのための情報発信を続けています。
SEO対策のメリット・デメリット
Webサイトへの集客方法は様々あり、検索エンジンのほかにも、他サイトなどからの参照リンク、TwitterやFacebookなどのSNS、メール、広告、いずれにも属さない直接流入(ブックマークやアプリ等)などに分類できます。
他の集客経路と比較した際のSEOのメリットデメリットをまとめました。
SEOのメリット
集客力が高い
数ある集客手法の中でも検索エンジンの比率は圧倒的で、サクラサクラボの調査では直接流入を除く経路で検索エンジンが占める割合は60%を超えていました。
多くのサイトでは、過半数の流入は検索エンジンによるものとなっており、ユーザーにとっても検索からサイトを訪問するという経路が当たり前であり、この大きな流入をさらに高めることがサイト集客において重要であることがうかがえます。
一度順位が上がれば中長期的に流入が見込める
後述するように多少の語弊はありますが、一度順位が上がれば、アップデートなどで下落しない限り順位が維持できることも多く、そうなれば中長期的な流入を見込むことができます。
これは、更新を続けないと流入の継続が難しいSNSや、出稿を止めてしまえば流入も途絶えてしまう広告とは異なる特長です。
流入に直接のコストがかからない
オーガニック検索からの流入には直接の費用がかかりません。
これは1クリックごとに課金される、リスティング広告などのPPC広告と対照的となっています。
ただし、他の経路と同様にページやウェブサイトがあることが前提で、SEO対策向けのサイト改修費用やSEO業者を依頼した場合のコストは必要です。
ユーザーの意図が明確である
ユーザーの意図は検索キーワードに表れるため、その意図に合ったコンテンツを作成しGoogleによって上位表示されていれば、コンテンツを通してユーザーが求めている情報を適切に伝えることができます。
そのため、キーワード次第ではありますが、コンバージョンまでの距離が短く、質の高いユーザーを集客することが可能です。
一方でたとえばSNSでは、フィードに流れてくる情報は興味があるテーマかもしれませんが、必ずしもその時求めているコンテンツではない可能性が高いです。(そもそも明確な意図をもって見られていない場合も多い)
SEO対策のデメリット・リスク
ペナルティ
Googleのガイドラインに違反するような、ブラックもしくはグレーな施策を行っている場合には、ペナルティ(手動による対策)を受けて順位が下落してしまい、トラフィックを失ってしまうリスクがあります。
トラフィックの減少は売上の減少につながり、経営問題に発展することも少なくありません。
一度ペナルティを受けてしまうと解除のために時間や費用が必要となるほか、解除されたとしてもペナルティ履歴があることが将来のSEO成果にとってマイナスとなる可能性があります。
誤った知識や悪質なSEO業者による施策を行っているとペナルティのリスクが非常に高まるため注意が必要です。
なお、ブラックな施策を行っていなければほとんど心配はありません。
ペナルティの影響については以下の記事もご覧ください。
Googleの手動・自動ペナルティがSEOに与える影響と原因・対策について
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/seo-penalty
順位変動リスク
ペナルティを受けなくとも、コアアルゴリズムアップデートなどGoogleのアルゴリズム変更によって順位が下落してしまうリスクがあります。
普段からの適切な対策により、そのリスクは軽減することは可能ですが、サイトによっては非常に時間や費用を要するため完全に避けることは非常に難しいことです。
流入や成果を検索エンジンに依存しすぎないようにリスクヘッジし、他の集客経路も育てておくことが必要です。
成果が出るまで時間がかかる
施策内容にもよりますが、多くの場合SEOの施策を行った後すぐに順位に反映されるわけではなく、サイトやコンテンツがGoogleから評価されるまでには時間を要します。
そのため、SEO対策は短期的な成果を求める場合の手段としては向いておらず、中長期的な目線で捉える必要があります。
たとえばリスティング広告などの広告は、出稿しさえすればすぐに流入に反映されるため、すぐに成果を必要とする場合には有効な手段となっています。
ユーザーが求めていない情報を届けることに向いていない
SEOではユーザーが求めている情報を届けることは非常に得意ですが、検索されないトピックをユーザーに届ける方法としては向いていないため、お知らせなどは別の方法で行う場合が多いです。
ユーザーニーズに応じた情報はプル情報、お知らせのように明確に求められていない情報はプッシュ情報と呼ばれることがあります。
SEOはプル情報を届けることに非常に長けていますが、プッシュ情報の伝達は不得意です。
プッシュ情報を届ける手段としては、SNS、広告、プレスリリース、メールなどが考えられます。
SEO対策の注意点
SEOのためだけの施策では、SEO対策は完結しない
SEO対策はサイト内部にテクニカルな改善を続けるだけでは終わらず、「外部からどのように評価されているか」といった要素がますます重要になってきています。
外部評価の最適化のためには、ウェブサイトやサービスの評判を高めたり、ユーザーからのリンクやサイテーションを増やしていくなどの施策を行う必要があります。(サイテーションまたはメンションとは、リンクではないがサイトや会社名などが言及されることで、Googleの外部評価要因の一つであると考えられています。)
このためには、たとえば以下のような施策が考えられます。
- SNSやリスティングなどのウェブ広告
- オフラインイベントなどのプロモーション
- 他の企業などとのコラボレーション
- よりよい製品・サービスの製造・開発
- 手厚いカスタマーサポート
これらの施策はSEO担当者だけでは完結できず、時には部署を超えて組織全体で取り組む必要があります。
変化が激しい
Webの世界は変化が早く、たとえばインターネットはもともとPCから行うものでしたが、今やスマートフォンから行うことも当たり前になっていますし、インターネットに接続された家電やスマートスピーカーなども登場しています。
同様に、Web上のコンテンツの生成やシェアに関しても、ブログより多様なSNSサービスが用いられるようになってきました。
また、検索順位を操作することを目的としたスパムやフェイクニュースなど、インターネット上の問題においてGoogleが対応を迫られることがあります。
こうした変化に伴いGoogleも進化しており、アルゴリズムや検索の仕様が変更されることがあります。
それを受けて(時には先行して)、Webサイト運営者も対応を変えることが必要なケースがあります。
SEOは経営やプロジェクトを左右しうる
SEOはWeb集客手法の1つですが、検索エンジンへの依存度が高い場合など時には経営やプロジェクトの意思決定を左右するほどインパクトが大きいことがあります。
SEOは強力ですので、SEOへの理解にある方が意思決定に参加することで、プロジェクト全体がやりやすくなることがあります。
たとえば、新サービス名を打ち出すことを仮定した場合、新サービス名やサイト名は検索されることを考慮したネーミングにしたほうがよいですし、Webサイトは新規ドメインを取得するか既存サイトを使うのかといったこともSEO要素を含めてジャッジするのが理想です。
逆に言えば、SEOに不利な意思決定をしてしまうと、その後のSEO対策がやりにくくなってしまうことがあります。
SEOコンサルティングを行っている私たちは、そのようなサイトの例を実際に数多く見てきました。
SEOの内製化と外注
SEOの基本的な考え方は難しくないものの、サイトが複雑になればなるほど、対策キーワードの競合度が上がれば上がるほどテクニカルなSEO知識も必要とされます。
単純なリソース不足で内製化できずに業者に外注するという選択肢もあるでしょうが、以下のような点は注意しておくことがおすすめです。
- 目標の設定は社内担当者が主体となって定義する
- 施策を外注任せにせず、共に施策を進めていく
- 振り返りを行う
- 知見を自社内に蓄積する
SEOの内部対策と外部対策とは
SEOの個々の施策は、施策対象箇所に応じて以下のように分類が可能です。
- サイト内部に行う施策
- サイト外部に行う施策
サイト内部に行うものを内部対策、外部に行うものを外部対策と呼びます。
以下にそのうちの一部の施策をご紹介します。
初心者がまず行うべき内部対策
内部対策1つをとっても、様々な施策があり、簡単にできる施策もある一方で、必要とされる専門性の高いものもあります。
まずは効果が高いもの、簡単にできるものから施策を進めていくことがおすすめです。
ページをインデックスさせる
インデックスとは、Googleがインターネット上の情報を整理する前に、自身のデータベースに各サイト・ページの情報を格納するプロセスことです。
インデックスされない限りは、各サイト・ページの結果がGoogle検索に表示されることはありませんので、ページをインデックスさせることはSEOにおいて大前提となる、非常に重要なことです。
とはいえ多くのサイトでは、このプロセスには特別な施策を行わなくても各ページは自動的にインデックスされます。
Googleはクロールと呼ばれる仕組みでインターネット上のさまざまなページを回遊しており、ページを見つけ次第情報のインデックスを行っています。
とはいえ、何らかの理由でクロールもしくはインデックスが阻害されることがあり、多くの場合は意図するしないにかかわらず、ウェブマスター側の設定によるものです。
その原因としては以下のようなものが挙げられます。
- noindexメタタグ(htmlのhead内に記載される、indexを拒否する設定)
- ベーシック認証(ページの閲覧にパスワードが要求される)
- robots.txt(特定のディレクトリのクロール拒否を設定できるファイル)
- Googleのクローラーがページを見つけられていない
ページをインデックスさせることは検索結果に表示されるための前提条件であるため、インデックスされているかどうかをチェックすることは重要です。
特定のページがインデックスされているかどうかを調べるには、次のような方法があります。
- サーチコンソールのカバレッジレポート
- Google検索でsite: コマンドを使用する
インデックスは特別な施策を行わなくてもされるはずの施策ですが、SEO対策の前提条件となるため重要度が高いものです。
robots.txtやnoindexは本来インデックスやクロールを制御するためのものですが、意図しない使用によりインデックスを阻害する可能性があります。
詳しくは以下の記事も参照ください。
robots.txtとnoindex
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/robotstxt-noindex
タイトルタグの最適化
タイトルタグはSEOの評価要因のうちで最も大きいものの1つとして考えられており、Googleが検索結果画面に青文字リンクで表示させる際の指標としても使われています。
そのため、タイトルタグには検索でヒットさせたいキーワードを含めるのはもちろんのこと、検索結果画面上においてユーザーがページ内容をある程度予測できるようなテキストにしておくことが重要です。
もちろん、他のページとタイトルが重複しているような状態は避けるべきです。
タイトルタグとは?SEO対策で押さえておくポイント
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/title-tag
パンくずリスト
パンくずリストとは訪問者がホームページ全体のどの階層にいるのかを内部リンクで示すリストのことです。ヘンゼルとグレーテルの童話にちなんだ命名ですが、ユーザーがページ遷移した順番ではなく、サイト内での階層を示すものであることに注意が必要です。
パンくずリストは検索エンジンにもサイト内の階層構造を伝えるため、他のページとの関連性を判断する上で重要な要素となっており、ランキングにも影響するものと考えられます。
パンくずリストが設置されていないサイトではまず設置しておくことをおすすめします。
パンくずリストについては次の記事もご覧ください。
パンくずリストとは?SEOで重要な理由と設定のポイント
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/breadcrumbs
初心者がまず行うべき外部対策
外部対策は内部対策に比べてコントロールできない部分が大きく、施策が難しいものもあります。
また、ブラックハット施策であるリンクプログラムへの参加をはじめ、外部対策にはいいイメージがない方もいるかもしれません。
しかし本来の外部施策は、あるサイトが外から見られた際の評価を向上させるものであり、自作自演の評価を積み上げたり、評価をお金で買ったりするようなものではありません。
特にGoogleはサイト内部指標と同様、もしくはそれ以上に外部の指標を重視していると考えられ、外部施策をせずにはSEOで成功するのは困難です。
グループサイトからのリンク
すでに自社で他のサイトを保有している場合はそうしたサイトからリンクを設置することが有効です。
自社の他のサービスを紹介することはユーザーにとっても有益であると考えられるため、まず設置すべきリンクです。
Googleマイビジネス登録・運用
GoogleマイビジネスはGoogleマップ上の店舗やオフィスを登録できる機能のことです。
ビジネスの所有者はオーナーとして登録することができ、それによりGoogleからの信頼性があがり、SEOにも有利に働くと考えられます。
Googleマイビジネス
https://www.google.com/business/
Googleマップの検索結果にも出やすくなることを考えると、特にBtoCの店舗型ビジネスであれば、登録して運用することはほぼ必須です。
登録方法やメリットの詳細については以下の記事も参照ください。
Googleマイビジネスでオーナー確認を行う方法とメリット
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/google-mybusiness-owner
SNS対策
Googleはリンクを重視していますが、たとえリンクではなくても自社名やサービス名が言及されること(サイテーション・メンション)は重要です。
サイテーションの獲得において、ユーザーに自社ブランドを広めてもらうためにFacebook, twitter, Instagramなど、SNSを活用するのは有効な手段です。
ただし、SNSからのリンクは一般にnofollowされていて、リンクされたとしても外部リンクとしての直接の効果はありません。
SEO面からみたSNSの対策については、以下のような施策が考えられます。
- WebページにSNSのシェア・フォローボタンを設置する
- 自社のSNSアカウントを開設・運用する
- SNSアカウントのプロフィールにWebサイトへのリンクを設置する
絶対NG!ペナルティを受ける誤ったSEO対策
以前の項目で、SEO対策にはブラックな施策があることに触れました。
Gooleは検索エンジンを欺いて順位を上げる目的で行われる施策をガイドラインで禁止しています。
そのような施策をブラックハットSEOと呼びます。
ブラックハット施策を行い、Googleがそれを発見した際には、ペナルティ(手動による対策)が与えられ、該当サイトやページのインデックスが削除されたり、順位を下げられたりすることがあります。
一度ペナルティを受けてしまうと解除に非常に時間とコストがかかることがあり、将来にわたってサイトのSEOに悪影響を与える可能性がありますので、絶対に行ってはいけません。
リンクプログラムへの参加
Googleのページ評価指標の1つとして、サイトやページからどれだけ多くの外部リンクを受けているかというものがあります。
リンクプログラムとは、順位を操作する目的で外部サイトからリンクを受けることで、現在行われているブラックハットSEOでは最も多い手法であると考えられます。
専門の業者が行うことが多く、その場合リンクの対価を支払っていることから、リンクの購入や有料リンクと呼ばれることがあります。
クローキング
クローキングとは、検索エンジンとユーザーそれぞれに違うコンテンツを見せることです。
たとえば、Googleには評価されやすいテキストコンテンツを見せておくが、ユーザーには商品ページを見せる、といったことが該当します。
コンテンツの自動生成
自動生成コンテンツは人間の手をほとんど介さずに公開されるコンテンツを指し、特に順位を操作する意図が見られた場合は特にペナルティを受ける場合があります。
- 自動生成テキスト(ワードサラダと呼ばれる、文法的には正しいが意味をなしていない文章など)
- 機械翻訳により作成され、校閲を受けていないもの
- 他サイトのhtmlやRSSなどから無断で複製されたコンテンツ
ここで紹介した以外にも、キーワードスタッフィング(キーワードの詰め込み)などのブラックハットSEOに該当する施策はあります。
詳しくは以下のGoogle公式のガイドラインをご覧ください。
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja
いずれの場合も、ペナルティの対象となるのは特に、Googleの検索エンジンを欺いて、検索順位を上げようとする意図が見られた場合に多いのですが、故意でなくともペナルティを受けることがあるため、ガイドラインは一読しておくことをおすすめします。
最近のSEOトレンド
SEO対策は進化しており、その時々で流行りとなる施策が出てくることがあります。
以下に現在のトレンドをいくつか紹介します。
モバイル重視
スマートフォンの普及により、モバイル端末からの検索が当たり前になりました。
それ以前はWebサイトはデスクトップPCに向けて制作することが主流でしたが、最近ではモバイルを重視する「モバイルファースト」の傾向が強くなっています。
モバイル対応
モバイル端末でもページを拡大する必要などなく見えるようにすることをモバイル対応(モバイルフレンドリー対応)と呼びます。
最近でこそ、モバイル対応は当たり前になっていますが、スマートフォン普及に作成されたサイトや、デスクトップユーザーが多いサイトではまだまだ対応されていないページも見かけます。
このようなサイトでは、Googleのランキング評価とユーザビリティの両面から対応を検討する必要があります。
モバイル対応については以下の記事もご覧ください。
Google推奨!スマホ最適化における3つのパターンを解説
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/google-sp-optimization-patterns
モバイルファーストインデックス
GoogleがWebページの情報をインデックスする際はデスクトップのクローラーにて収集していましたが、「モバイルファースト」には相反する仕様になってしまいます。
そこで、Googleはモバイルクローラーにて収集したページ情報をもとにランク付けを行う仕様に変更しつつあり、現在サイト単位で徐々に移行が進められつつあります。
現在は以前のままデスクトップ向けクローラーにてインデックスされるサイトと、モバイルファーストインデックスに移行したサイトが入り混じった状態になっています。
モバイルファーストインデックスの移行が完了しているかどうかはGoogleのランキング要素ではありませんが、移行完了のためにも、ユーザビリティのためにも、デスクトップ用ページとモバイル用ページで表示されるコンテンツが同等になるようにしておく必要があります。
デスクトップ用ページとモバイル用ページで異なるHTMLを用いている場合は、表示されるコンテンツが異なってしまう恐れがあるため、Googleはレスポンシブウェブデザインによりサイトを構成することを推奨しています。
これからのモバイル対応はレスポンシブが強く推奨
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/mobile-compatible-responsive
検索品質評価ガイドラインの重視
検索品質評価ガイドラインとはGoogleが自身の検索エンジンの品質を評価するために、外部の品質評価者に向けて評価方法を説明した資料のことで、本来ウェブマスターに向けたガイドラインではありませんが、Googleの検索エンジンが進みたい方向性が書かれていると言われており、近年ではGoogleの検索担当者がウェブマスターに向けて読むことを推奨するようになっています。
この文書によると、品質評価者は検索結果のページ品質と検索ニーズの充足(インテントとの合致)を評価しており、特にページ品質がランキングに及ぼす影響が強くなっていると考えられます。
ページ品質について掘り下げると、E-A-T(専門性・権威性・信頼性)の重要性が高まっています。E-A-Tとは、コンテンツが専門家によって作成されているか、ウェブサイトを誰が運営していて、外部からの評判はどうなのか、といった点が評価されており、こういった点を向上させずには、今後SEOで成功していくのは難しくなる可能性があります。
検索品質評価ガイドラインについてより詳しくは以下の記事をご覧ください。
Google検索品質評価ガイドラインの要約とSEOへの活用方法
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/genenral_guidelines
構造化データ
構造化データとは、ユーザーに見える形で表示されないものの、Googleなどのロボット向けにコンテンツ内容を伝えるもので、人間と同じようにコンテンツを理解することができないロボットに最適化された形式のデータです。
Googleは構造化データを読み取って検索クエリとの関連性を判断したり、リッチリザルトへの掲載に用いられたりしており、徐々に適用範囲も広がりつつあります。
検索結果への露出を高めたり、クリック率を上げたりする効果が期待できるほか、長期的にはランキングに対して直接の影響もあるものと考えられ、特にリッチリザルト対象となっているフォーマットについては対応の重要度が高まっています。
以下の記事も併せてご参照ください。
構造化データとは?~HTMLを構造化する前に知っておきたいこと~
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/structured-data
リッチリザルトの種類と検索結果表示させるための方法
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/rich-results
ゼロクリック検索の増加
Googleで検索を行ったユーザーが、検索結果のいずれのウェブページにも行かないというケースが増えていると言われています。
その理由として以下の要素が考えられます。
- 強調スニペットやリッチリザルトなどにより、ページ遷移の必要なくユーザーが満足するようになった
- フライトやホテル情報など、Google保有サイトへ遷移する結果が増加した
強調スニペットとは、検索結果画面の最上部にキーワードの回答が直接表示される機能で、上位表示されている一部のテキストなどを抜き出す形で表示されます。
強調スニペットは、音声検索の回答としても使われており、概要だけならこの短いテキストで把握することが可能なものです。
検索結果がクリックされない検索が増えているとはいえ、依然としてSEOは重要な集客手段ですし、クリックされなかったとしても検索結果画面への露出はブランド認知を高めるなどプラス効果があると考えられます。
こうした中でも競合ブランドがSEO対策を継続していれば、対策を止めたブランドより先行するのは明白です。
今後はゼロクリック検索が増えているという前提のもと、クリック率を高める施策や強調スニペットの獲得、検索結果画面では満足できずに流入したユーザーへのもてなしなど、露出・流入・コンバージョンを高める施策の重要性が高まっています。
意味のないSEOの施策
反対に、以前はトレンドでもあったが廃れてしまった施策について少しだけ紹介します。
・メタキーワードの調整—-Googleはすでに長い間メタキーワードをランキングに使用していないため無意味です。
・キーワード出現率の調整—-以前は対策キーワードをページ内に〇%の割合で含める、という施策がは流行していたことも事実ですが、現在では気にする必要はありません。(ただし対策キーワードを全く使わないのは問題があります)
・リンクプログラム—-ディレクトリ型サイトやブログサイトなどを用いた自作自演リンクのことで、ガイドラインに違反する施策であるために現在はペナルティリスクが高すぎてほとんど行われなくなりました(万一勧められても絶対に行ってはいけません)
・隠しテキスト—-ページ内にキーワードを詰め込むために背景と同化したテキストや、ブラウザ画面内に見えない文字をソース内に入れ込むという手法がありました。これもガイドライン違反ではありますが、検索エンジンアルゴリズムの進化でこのような手法で挿入されたテキストは効果がほとんどなくなっています。
一部スパム的な手法もありますが、効果のない施策を行ってしまわないよう注意が必要です。
SEO対策は何から始めればよいのか
SEO対策の概要がわかったとしても、何から始めてよいかわからず困ってしまう場合もあるかもしれません。
SEO対策に着手する際に考慮するポイントを挙げていきます。
SEO対策によって解決したい課題を明確にする
SEO対策を始める前に、まずはSEOで達成したい目標や解決したい課題を明確にしておくことが必要です。
SEO対策を行うことは手段であって目的ではありませんので、行うべき施策から探し始めるのではなく、コンバージョンなどの目標に焦点を当てます。
その上で、目標を達成する手段としてSEOが適切であると判断した場合は、目標から達成すべきセッションや対策すべきキーワードなどを逆算していきます。
競合と比べて劣っている部分をテコ入れする
検索順位は相対評価ですので、競合と比べて劣っていれば上位表示は困難となります。
そこで以下のような項目において、競合に後れを取っていないか確認し、その差を埋める施策を取ることが一案になります。
- コンテンツの数
- コンテンツの質
- 特定のキーワード(キーワード群)の順位
ただし、先行する競合が巨大な場合、追いつくのは難しい場合もありますので、競合が手をつけていない領域を対策することも視野に入れます。
着手が楽な点から始める
SEOの専門知識やノウハウがない場合、知識があまりなくてもできる施策からスモールスタートを行うのも1つの案として考えられます。
たとえば以下のような施策が考えられます。
- タイトルテキストに対策キーワードを不自然でない範囲で含める
- 既存のページにそのページを閲覧しているユーザーに役に立つ内容を追記する
- 現状で応えられていないユーザーニーズに対応した新規ページを作成する
専門家に依頼する
サイトが巨大な場合や課された目標が高い場合には、ノウハウがない状態では内製化を行うことが難しい場合もあります。
そのような場合にはSEOコンサルタントなど、適切な専門家にアドバイスを求めることを検討することをおすすめします。
SEO対策の初級施策に言及した資料を参照する
この記事では主にSEO対策の基本的な考え方を重視して論じてきましたが、もう少し個別の施策に踏み込んだ実用的な資料・文書があります。
以下のような資料を参照するのがおすすめです。
【初心者向け】SEOスタートアップガイド – サクラサクラボ
https://www.sakurasaku-labo.jp/lp/white-paper/2019-07/
検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド – Search Console ヘルプ
https://support.google.com/webmasters/answer/7451184?hl=ja
SEO対策に使えるツール
SEO対策の作業は時に膨大になることも少なくありません。
そうした中でよく使うツールをいくつかご紹介します。
Google Search Console(サーチコンソール)
サーチコンソールはGoogleが提供している無料ツールの一つで、ウェブサイトのエラーやトラフィックなど健康状態を知ることができるものです。
SEOに限らずサイトに問題が起きていないかどうか、サイト内のページはどれだけインデックスされているのか、どんなキーワードで流入しているのかなどがわかるようになっています。
管理サイトは必ず登録しておくことをおすすめいたします。
サーチコンソールについては以下の記事も参照ください。
サーチコンソールの使い方と登録方法
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/google-search-console
順位チェックツール
SEO対策はターゲットキーワードを決めて行うことがほとんどですので、成果指標の1つとして順位観測は重要です。
ここでは順位のチェックができるツールをいくつか紹介します。
SEOチェキ
ブラウザ上で動作し無料のツールとしてSEOチェキ(http://seocheki.net/)があります。、3つのキーワードまで同時に計測が可能です。
少数のキーワードを必要なときだけチェックする用途におすすめです。
他にもドメイン年齢やWhois情報(ドメインの所有者情報)をチェックすることもできます。
一方、ダウンロードして使用する順位チェック専用の有料ツールでよく使われるものとしてはGRC(https://seopro.jp/grc/)があります。
大量のキーワード順位を計測したい場合に向いています。
キーワード数の制限が厳しいものの無料でも使用することができるため、使用感を確かめてから有料プランを利用するかを決めてもよいかと思います。
共起語調査ツール
共起語とは、あるキーワードとともによく使われるキーワードのことです。
共起語はあるキーワードについて、良質なコンテンツを作ろうとすると自然に使われるもので、例えば”SEO”であれば、「検索」や「Google」という共起語を抜きにして語ることは難しいでしょう。
コンテンツ作成の際には共起語の抜け落ちを防ぐためやより幅広い範囲をカバーするためなどに、調査ツールを使うことがおすすめです。
共起語調査ツール
https://www.sakurasaku-labo.jp/tools/cooccur
まとめ
長い記事になりましたが、SEO対策の取り掛かりのステップについては以下のようにまとめられます。
- SEO対策とは、ユーザーから求められる、よりよいサイトやコンテンツを作成するための取り組みである
- よいコンテンツを作るだけでなく、それを適切にGoogleに伝えることが必要である
- SEO対策はその手段に焦点が当たりがちになるが、達成すべき目標から戦略を立て、戦略から施策に落とし込んでゆく
これからSEO対策を始める方は
この記事で説明した通り、SEOで何を目指したいのかを持つことが重要です。
目指すべき方向性や目標が定まったら達成のための戦略が必要です。
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目標が決まっていない状態でも、まずはご相談を!
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