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【失敗から学ぶ】なぜ中小企業のWEBマーケティングは失敗するのか?vol.1:市場環境編

サクラサクマーケティング株式会社の社長の根岸です。
今回は中小企業ならではのWEBマーケティングが苦戦する理由を弊社の顧客、また弊社自身の事例から解説していきたいと思います。

弊社では15年間にわたって、SEO施策を中心に中小企業のWEBマーケティングの支援をしています。

・なかなかホームページからの問い合わせ数が増えない
・テレアポが主流で、WEB経由の戦略が組めていない
・代理店や業者に依頼しているが成果に不満がある

など現状の課題を抱えていらっしゃる経営者、担当者向けに失敗事例をもとに解説させていただきます。

一概に中小企業といっても会社によって千差万別ですが、ここでは中小企業庁のホームページにあるとおり、

・資本金3億円以下
・従業員数300人以下

の企業を中小企業と定義し、話を進めたいと思います。

参考:Q1:中小企業基本法の中小企業の定義と小規模企業の定義を教えてください。

中小企業のマーケティング施策を成功させるためには、中小企業を取り巻く市場環境の理解が必要です。

具体的には、

・人口変動
・働き方改革
・副業の普及
・マーケティング会社の実情

この4点。今回のvol.1では、中小企業を取り巻く市場環境を上記の4つの観点から解説していきたいと思います。

中小企業にとって人口変動はどう影響を与えるか?

日本の少子高齢化が進み、人口が減少していることは周知の事実かと思います。
しかし、人口の減少が中小企業を経営するにあたってどのような影響を与えるのか、具体的な危機感をもって捉えている方はどれほどいるでしょうか。

内閣府のデータによると、現在1億2,000万人いる日本の人口は、40年後の2060年には9,000万人を割り込む予測となっています。さらに20歳~64歳、いわゆる労働人口に関しては、2060年に4,000万人にまで落ち込むと見込まれています。
高齢化の推移と将来推計
出典:内閣府ホームページ

これは労働人口のピーク時である1995年の約8,000万人と比べると、約半分になるわけですので、非常にインパクトが大きいと思います。

“AIが人間の仕事を奪う”そんなことが騒がれる昨今ですが、逆にAIを使わなければ労働人口が足りないともいえるのではないでしょうか。

さらに平成30年に 経済産業省が行った「IT 人材需給に関する調査」によると、IT人材不足に関しては、深刻な数字が出ています。
この調査の中でIT人材とは、IT企業に属する人材とITサービスを使うユーザー企業側のITに関わる人材を調査対象としています。
2030年までの試算対象とするIT人材
出典:平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備

2018年の調査時点で、IT人材は約91万人いますが、すでに約17万人不足しており、10年後の2030年には、約41万人~79万人が不足すると予想されています。

IT人材需要に関する主な試算結果の対比
出典:平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備

さて日本の総人口の減少、その中でもIT人材不足、これは中小企業にどんな影響をもたらすでしょうか。

すでに採用活動に苦戦している企業も多いと思います。

・なかなか良い人材が採用できない
・採用できたとしても教育に割く時間がない
・教育して成長したと思えば、すぐに有名企業に転職されてしまう

こんなことが中小企業では日常的に起こっていると思います。

さらに優秀なIT人材を採用し、確保、維持していくためには、人件費も高騰していきます。以前、某IT企業の新卒エンジニアの年収が1,000万超という、そんなニュースが話題になりました。これは極端な例だとしても、IT関連の初任給が年々上昇していることは、就職サイトの求人票を見れば一目瞭然です。また外注を中心に考えた場合でも、外注先も同じくIT人材不足に瀕しているわけですので、外注費の高騰も当然起こってきます。

このトレンドは昨今の一過性のものではなく、今後さらに激化していくことは上記のグラフでも想像に難くないと思います。

働き方改革によって中小企業はどう変わらなければならないか?

次に2019年4月より一部施行された働き方改革関連法案についてです。この働き方改革によって中小企業はどう変わっていかなければならないでしょうか?
詳細は、下記、厚生労働省のホームページを確認いただきたいのですが、ここでは中小企業の経営者が抑えておくべきポイントだけかいつまんで解説します。

参考:「働き方改革」の実現に向けて

そもそも、この働き方改革は何のためにやるのか? その前提が理解できていないと全体像は見えてきません。上で述べたように、近い将来日本が人口変動によって労働力不足になることは明白です。

その対策として浮上したのが、この働き方改革なのです。

“1億総活躍社会を実現するための改革”

このスローガンを安倍首相が演説等で口にしているのを聞いたことがある方も多いと思います。

一見すると、“残業時間を減らす”、“有給消化を必須にする”など労働時間を削るような印象を受けますが、働き方改革の真の目的は、労働不足解消、ここにあります。
働き方改革

・働き手を増やす
・出生率の向上
・労働生産性の向上

この3つをもって労働不足の改善を図るのが働き方改革なのです。
法案の中身ですが、具体的には3つの柱で成り立っています。

①長時間労働の解消

2015年に発生した電通の過労自殺の事件は、日本社会全体に大きな衝撃を与えたと思います。我々WEB業界と同様の業務内容だったこともあり、WEB業界にも大きく影響を与えました。日本のこうした長時間労働や過労死の実態は、世界的にも懸念されており、2013年には国連から是正勧告を受けていました。

参考:「日本は過労死対策を」 国連委員会が政府に初勧告

今回の法案では

・残業時間の規制強化
・労基(労働基準監督署)の立入検査
・有給休暇の取得義務化

など労使協定、いわゆる36協定に見直しが入っています。

これらにより特に残業時間が多い30~40代の労働環境を改善し、出生率や生産の向上が期待されています。

②非正規と正社員の格差是正

正社員と非正規社員とでは、給与はもちろん福利厚生や待遇面などでも大きな開きがあります。欧州では、正社員と非正規社員の時給換算率は80%ほど(非正規社員の時給が80%低い)だそうですが、日本ではこれが60%となっています。

また全労働人口の約40%が非正規社員で構成されています。育児や介護をしなければならない層にとっては、フルタイム勤務の正社員雇用の難易度がどうしても高いため、非正規社員を選択せざるを得ない人も多いと思います。

そこで今回の法案では、

・時給換算率80%を目指す
・最低賃金の引き上げ
・福利厚生や昇給制度の平等化

などが盛り込まれており、非正規社員と正社員の格差是正を図る内容となっています。

③高齢者の労働促進

労働人口は20歳から65歳の人口を指しますが、高齢者の労働促進施策は、“労働人口が減少していくのであれば労働人口の年齢幅を引き上げよう”という非常にシンプルな考え方です。

厚生労働省の調査では60歳以上の約60%の人が、65歳を超えても仕事をしたいと考えているということがわかりました。その反面、実際に就労している割合は20%にしか及びません。2060年には65歳以上の老年人口は3,500万人にのぼると予測されていますが、
この高齢者の労働力を活かすことが今回の法案で盛り込まれています。

参考:「65歳超えても働きたい」6割以上 16年厚労白書

具体的には、

・65歳以上の継続雇用
・65歳以上の定年延長
・高齢者就労支援

となっており、企業に対して、高齢者の活躍の場の延長を促進する内容になっています。

さて、働き方改革の3本柱をみてきましたが、中小企業の経営においてはどのような影響が出るでしょうか。

端的にいえば、

・非正規社員の人件費は高騰
・残業時間、有給取得義務化など業務時間は減少
・採用や人員管理、体制面など労務業務増加

が考えられます。

つまり、今までよりも難易度の高い条件下で、今まで以上の成果を出すことが求められるのです。

副業制度の促進によって中小企業は?

近年、副業制度を導入する企業が増加しています。
その背景としてはクラウドソーシングの普及によって、自宅で気軽に副業を始められる環境が整ってきたことがあると思います。

また上記の働き方改革によって、残業時間が減ったことで時間が空いたことや、残業代が減り、稼がなければならなくなったことなども挙げられます。
今後、この副業の波はさらに加速していくのではないかと思います。

弊社も副業を申請許可制にしていますが、収入面、スキルアップ、本業への影響など様々な観点からメリット、デメリットの双方があると思います。
副業制度のメリットデメリット

今までは本業のみで収入、成長の両方を満たさざるを得なかった環境から、本業以外でもそれらを満たせるようになりました。これにより従業員の仕事に対する考え方やキャリアパスなど多様化が進むでしょう。

中小企業の経営者は、魅力的な労働環境(条件面、業務内容、成長機会、etc.)を提供していかなければ、従業員に本業で成果を上げてもらうことが難しくなってくるのではないかと思います。

外注先のWEBマーケティング会社の実情

上記のような市場環境の変化は、弊社も含めたWEBマーケティング会社にとって、企業経営をするうえで大きな影響を与えます。

IT人材不足という深刻な状況の中、WEBマーケティング会社同士による優秀な人材の獲得争いは激化しています。

採用が非常に困難であるうえ、誰でも活躍できる業界ではありません。さらに近年、WEBマーケティングの業務は、高度化、多様化、細分化が進んでいます。つまり教育にかかるコスト、時間も膨大になっています。それにも関わらず、成長していった人材が有名企業に転職されてしまうこともざらにあります。

またスタートアップ、ベンチャー企業という名のもとに、過度な残業や土日勤務など長時間労働で業績をカバーしてきた風習が多少なりともWEB業界には存在していたと思います。働き方改革や副業制度の浸透で、今までより少ない時間で成果を上げることが求められています。

人件費は高騰し、労働時間も制限されるわけですから、単純に利益率は悪化します。
WEBマーケティング会社が生き残るためには、売価を上げるか、労働生産性を上げるか、が求められます。結果的に何が起きるかといえば、利益率の高い案件へ注力せざるを得なくなります。

極端な例を挙げましたが、多かれ少なかれ、外注先のWEBマーケティング会社で起こっている事実だと思います。中小企業にとって考えなければならないのが、外注コストの高騰は避けられないということ、また、丸投げすればうまくいく時代は終焉したといえることではないかと思います。

動画でも解説!

サクラサクラボのYouTubeチャンネル、サクラサクラボチャンネルでは中小企業の皆様向けの動画コンテンツをご用意しています。

ぜひチェックしてみてください!

まとめ

今回は、中小企業がWEBマーケティングで失敗する背景となっている市場の変化について、

・人口変動
・働き方改革
・副業の普及
・マーケティング会社の実情

上記、4点に関して、解説させていただきました。

IT人材を採用し、内製化を進めようにも採用難易度・教育難易度は上昇し、人件費は高騰しています。また外注化に舵を切っても、費用の高騰や担当者のレベルや対応面で満足のいかないケースも増えています。つまり今まで以上に結果を出すための条件の難易度が増し、この潮流はさらに加速していくと考えています。

市場変化は非常に厳しいものですが、だからこそ経営者自らがこの環境変化を理解し、自らが学び、変化することが求められているのではないかと思います。

中小企業の経営者である私自身も感じることですが、社長のコミットなくして、中小企業のWEBマーケティングはうまくいきません。

次回は、市場変化からさらに踏み込んで、中小企業がWEBマーケティングで陥りがちな失敗理由6選を解説していきたいと思います。

【失敗から学ぶ】なぜ中小企業のWEBマーケティングは失敗するのか?vol.2:失敗要因6選
https://www.sakurasaku-labo.jp/blogs/failure-factors

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執筆者:根岸 雅之

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取締役社長 COO

2006年株式会社オプトにてSEMコンサルタントとして、大手企業のリスティング広告の運用に従事。

その後、サクラサクマーケティング株式会社に転職し、SEOコンサルタントとして、10年以上、100サイトの以上の顧客のWEBマーケティングのパートナーを担う。また、セールス、新規企画開発、アライアンスと幅広く従事し、2014年より取締役社長として会社を牽引。



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