2019年12月17日にウェブマスターオフィスアワーが行われました。
いつも通り、Googleの金谷さんとあんなさんがユーザーからの質問に回答しています。
中でも中古ドメインに関する質問には、金谷さんが非常に熱く回答されていたのが特徴的な回となっています。
その他にも興味深い質問が多くあり、この記事では回答された質問全てをまとめました。
また記事の最後には、オフィスアワーの中で紹介されたGoogle公式ブログのランキングも併せてまとめています。
Q&A
非技術者へのアドバイス!
Q. 新しい機能が実装されたときなどに非技術者はどのように理解・相談すればよいのか(AMP、Discoverなど)
A. 何か1つ新しい技術を深く理解してみる
エンジニアの協力を得て、テストからスケール化を考えてみる
実装するかどうかの判断の際には目的を明確にして相談する
Google社員に聞く、有名ブログ運営者に、よりわかりやすくブログを書いてくれるよう依頼する
nofollowの副作用
Q. ページAを全て読み込みさせるために、途中にあるページBへのnofollowリンクを設置した場合、AやBがネガティブな影響を受けることはあるか
A. クローラーがコンテンツを読み込むフローとリンクをたどるフローは別物なので、リンクは読み込みを妨げることはない
nofollowを使っているという理由でネガティブなことはないが、nofollowはヒントとして扱われるので、必ず従うわけではない
ただし、それほどnofollowを使う必要があるのかは疑問
クロールをさせたくないのであればrobots.txtを使い、インデックスさせたくないのであればnoindexを使う
Index APIの対象範囲拡張の予定は?
Q. 現在Index APIは求人やライブストリームにしか利用できないが、拡大する予定があるのか?
A. 将来に関わることはお伝え出来ない
アップデートがあれば共有する。
ページ読み込み速度と検索順位
Q. 読み込み速度(Pagespeed insightsのスコア)と検索順位は関係があるのか
A. 読み込み速度は検索順位と関係ある(Speed Update)。ただし、早くなればなるほどあがるものではなく、非常に遅いページのランキングが下がる
関連ブログ記事
ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します – Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA]
また、Pagespeed insightsのスコアがそのまま適用されるわけではない。あくまでもツールを参考として改善することで、Speed Updateの対象になりにくくする
何に対して力を入れてるかなど調べやすくして
Q. しごと検索、AMPなど最新のSEOで何がトレンドなのか、技術や取り組みの一覧が調べられるようにしてほしい
A. 質問者がクライアントビジネスをしているのであれば、それを伝えるのがスキルなのではないか
Googleの技術的な情報は、デベロッパーサイトにまとまっている。
フライト検索などはユーザー向けのサービスで、ウェブマスター側ですることはない
他にもサーチニュースや公式ブログやtwitterなど
検索好きの人など、コミュニティや横のつながりも重視
中古ドメインを使えば順位は簡単に上がるの?
Q. 権威性の強い中古ドメインを買えば簡単に検索順位があがるようになったのか?(twitter上での議論を受けて)
A. 回答としては、根拠が成立しえない情報である、とのこと。
金谷さんはこの質問に対して熱く語っており、要約を以下に記載します。
はじめに、中古ドメインを使うこと自体はガイドラインに違反しない。テーマに合致していてどうしてもそのドメイン名を使いたい場合で、オリジナルなよいコンテンツを提供している場合は問題ない。
中古ドメインにはみなさんが期待しているSEO効果はない。中古ドメインで順位が上がった時に中古ドメインだからあがった、新規ドメインであがらなかったときに新規ドメインだからあがらなかったと印象になりやすいのではないか
ただし、品質に関するガイドラインには、記載されていない不正行為についても対応策を実施することがあると記載されている。中古ドメインにはスパム、グレーなケースもあり、そのような施策は避けるべき。(Google内部には明確なガイドラインはあるが、非公表)Googleは意図などあらゆる観点でサイトのSEO施策を理解しようとしており、スパム意図があると判定された場合には、手動による対策や、アルゴリズムによって対応されるリスクがある
金谷さんの個人的な意見としては、どうしてもそのドメイン名が欲しい場合を除き、中古ドメインは意図して使わない
なお、E-A-Tにおける権威性について、キーワードと関係ないドメインは権威ではない。
また、キーワードの関連性のある、権威性が感じられるドメインを使っても権威性はそういうことはではなく、そんなに簡単に順位は上がらない
権威性があるからサイトがあがっているのかを考える
確証が得られない情報に振り回されないようにした方がよいのではないか
衝撃的な情報は伝わりやすく、何が正しいかわかりづらくなってしまう
この話であれば、根拠が成立しえない情報なので、一情報としてとらえるべき
「サイトが飛ぶ」という表現
ベテランと初心者で受け取る内容が異なる場合がある
ベテランはいろいろな現象があり以下を分けて理解できるが、初心者にはできない
- ガイドライン違反で手動対策により順位が下がった(飛んでない)
- ガイドライン違反で手動対策によりインデックス削除(飛んでいる)
- ガイドライン違反でアルゴリズムによって対策され表示されにくくなった(飛んでない)
- ガイドライン違反と関係なくアルゴリズム変動によって順位が下がった(飛んでない)
- ガイドライン違反と関係なくアルゴリズム変動によって表示されにくくなった(飛んでない)
- noindexを入れてしまっていたなどウェブマスター側の設定ミス
専門家はわかってて話すが、初心者は勘違いして受け取ってしまうことがある
Googleは攻略・対策すべき横暴な敵になろうとしているわけではない。(目指していることとできていることが違う)
Googleの情報をフォローして、世に流れている情報が真実かどうかを見極めてほしい
初心者を惑わせるような用語の使い方を避けてほしいし、アフィリエイト塾など教える立場の人はきちんと教えてほしい
アンフェアだと感じている人がいることは気にかけているので吸い上げてスパム対策チームが気にかけられるようにしたい(後日ハッシュタグが共有される)
送信されたスパムレポートは優先順位をつけて対応するが、必ずしもマニュアルで対策するわけではなく、アルゴリズムによって反映させることもある。
自動化されたクエリのガイドライン
Q. 順位計測ツールを使って違反を繰り返しているのに注意や指摘をされないのか
A. Googleからは直接違反を指摘をしていない
また、ガイドラインに違反したもの全てが手動対策の対象となるわけではない
以下の金谷さんのツイートは注意喚起として行っている
なお、イベントなどで交流がある親しい方たちにしか共有されていないことはない
Googleの活動で誤解を受けるようなことがあれば質問してほしい
この質問で言及されていたツイートは以下です。
ツール開発しました!という記事を見ましたので一応。
"どのような種類かに関わらず、自動化されたクエリを Google から明示的な許可を事前に得ずに Google のシステムに送信することは禁止されています。"
ウェブマスター向けガイドライン – 自動化されたクエリhttps://t.co/UGDFeyotjQ
— 金谷 武明 ★ Takeaki Kanaya 本日今年最後のオフィスアワー (@jumpingknee) November 10, 2019
しごと検索に表示されなくなった
Q. しごと検索に一度表示されたが、数日後表示されなくなった。構造化テストツールで問題なかった
A. 確認した範囲では表示されているようであった
確認するポイントとしては、
・サーチコンソール内の「求人情報」レポート
・パフォーマンスレポート内の「検索での見え方」
マークアップとペイウォールの併用
Q. Q&Aの回答を課金ユーザーのみが見えるペイウォールにする場合、クローキングとならないマークアップはあるか(※SERPS上では回答の一部が確認できるが、遷移すると課金ユーザー以外は見えない状況となる)
A. 併用はできる
ただしユーザー心理は別問題なので、何記事までは無料などしてはどうか
サクラサクコメント
Googleは課金コンテンツ(ペイウォール)を全て見せないのではなく、一定数の記事を無料で見せるメータリングや、一部分を無料で公開するリードインなどの公開方法をサポートしています。
公式ドキュメント
Flexible Sampling に関する一般的なガイダンス – Search Console ヘルプ
同一ドメインにファビコンを複数実装したい
Q. ディレクトリことに別々のファビコンは設定できるか
A. サブドメインはできるが、サブディレクトリはできない
地域で有名な店舗を上位表示するために
Q. 地域で有名だがサイトを持っていなかった地域で一番のお店が上位表示されることはあるのか?(バックリンクがない)
A. 現実の評判が把握できない状態だと厳しいと思う。
ただ、有名であればすぐにリンクがつくなど、厳しい状態は解消されるのではないか
構造化データ「Product」の実装用途
Q. 単一商品に複数の構造化データが設定されていても問題ないか。(ショッピングASPの仕様上このようになってしまう)
・nameとaggregateRatingの構造化データ(レビューがある場合)
・上記含めた取得可能な商品に関する構造化データ
A. 回答としては機能しているのでリッチスニペットも表示されており、画像検索でもマークがついており問題はない
ただし、エンティティを正しく伝えるという構造化データの目的に鑑みて、二重になっているのは混乱を招く可能性があり、改善できるのであれば改善したほうがいいのではないか
Lazyload実装時のカルーセル/タイリング
Q. Lazyloadを適用した画像はSerpsのに表示されないのか。JavascriptによるLazyload(noscriptによるフォールバック済み)を実装したページにおいて表示されない
A. 画像がインデックスされているので表示される可能性はある(画像のインデックスはライブテストなどで確認可能)
ただし、ウェブマスター側で表示を指定できない
パフォーマンスレポートの対象となるサイト
Q. パフォーマンスレポートのメールが増えているがデータのあるサイトだけなのか
A. ヘルプには登録して3か月と記載されている
現在はトライアルで、これから拡張予定
BERT
Q. BERTは検索クエリだけでなくコンテンツの理解にも使用されるのか
A. その通り
Googleからのクロールが急増した
Q. サーバーがダウンするほどクロールが急増したが、これは正常なのか
ドメイン内を複数のサーバーで運用していて、サーバーログから特定領域のみクロールが急増していたが、クロール頻度のリクエストはドメイン単位であるので、どのように対応したらよいのか
A. 急増するケースはたまにある。何が正常かどうかは言えないが、起こりうる。
フォームからは特別なリクエストを細かくリクエストできる。どこまでGoogleが対応できるかは約束できないが、可能な限り対応したい。
リクエストフォーム
特別なリクエスト(サーチコンソール権限が必要)
Indexから突然消えたり戻ったりしてる
Q. 特別に何か施策を行ったわけでもないのに、URL検査ツールで調べるとIndexから突然消えたり戻ったりしてる
A. 担当チームに報告済み。このケースではURLパターンがSEOスターターガイドの推奨事項と異なるので、検索エンジンにも人にもわかりやすいURL構造にするのがよい。
有料リンクと相互リンクの違い
Q. あるサイトで募集されている相互リンクは金銭のやりとりはなくとも、送客を与える見返りにリンクをもらう行為は有料リンクとはならないのか
A. このケースはガイドラインに照らし合わせると、限りなく違反に近い
相互リンクは古きよきインターネットの文化であるので全般的に違反ではないが、相互リンクによりGoogle検索で優位な立場に立とうという意図のあるリンクであれば、無料であったとしてもガイドライン違反(不自然なリンク)になる可能性がある
判断基準として、Googleが存在していなかったらやらなかったかどうかを確認し、そのような施策であれば違反する可能性が高い
それでもリンクするのであればrel=sponsoredをつけるとよい
なお、このようなリンクはGoogle側で無効化されているので他者は「こんな世の中じゃ」と心配する必要はない
スニペットの情報を修正したい
Q. 自分の店名で検索した際の公式サイトスニペット部分に、サイトに記載されておらず誤った内容が表示されている
A. 担当チームに共有した
2019年ブログランキング
今年1年の公式ブログの閲覧数ランキングが紹介されました。
ベスト10が紹介されましたが、4-10位は割愛しています。
3位:さようなら、Flash
ある程度の年齢層の方に、感情とともにツイートされるケースもあった
対象記事
https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/goodbye-flash.html
2位:良質なサイトを作るためのアドバイス
7年前の記事であるが、1位の記事とともにサイトの品質をチェックするための項目を比較されたのではないか
https://webmaster-ja.googleblog.com/2012/09/more-guidance-on-building-high-quality.html
1位:Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと
今年はコアアップデートは大きな話題であった中で、コアアップデートについて詳細に説明した記事が1位となった。
https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html
次回は2020年1月後半予定とのことです。
前回のオフィスアワーまとめはこちら
ウェブマスターオフィスアワーまとめ(2019年12月5日)