こちらの記事は弊社運営クラウドライティングサービス『REPO』のライター向けに作成したものです。
いきなりですが、
頭痛が痛い。
危険が危ない。
違和感を感じる。
このような日本語を読んで「あれ、なんかおかしくない?」
そう思ったあなた、ライターとしての資質を持っているかもしれません!
ライターとして仕事をするなら、日本語の使い方に関してはだれよりも気を使わなければなりません。
そこで、今回のテーマはこちら!
1.重言とはなにか
重言というのは、同じ意味の単語を二つ並べて使用する表現のことです。
この重言は、日本語の使い方としては正しくないとされています。
有名なもので言えば、先ほどあげた 「頭痛が痛い」でしょうか。
よく勘違いされがちなのは、重言は日本語として「使ってはいけない表現」ではありません。
あくまでも「使うべきではない表現」です。
重言の中でもすでに習慣として許容されている言葉もあり、全ての重言が悪いということでもありません。
例えば、下記のような重言は日本語的には正しくないですが、広く使われているために正しい使い方として許容されています。
一番最初・一番最後
⇒「最初」と「最後」はすでに「一番」である意味を含んでいるので、「最初」「最後」だけが正しい。
今の現状
⇒「現状」はすでに「今」である意味を含んでいるので、「現状」だけが正しい。
内定が決まった
⇒「内定」の中に「決定」である意味を含んでいるので、「採用が内定した」が正しい。
日本に来日する
⇒「来日」はすでに「日本」である意味を含んでいるので、「来日する」だけが正しい。
こうしてみると、ニュースでよく聞く言葉もありますね。
アナウンサーなど、正しい日本語を使うことを求められる職業の人たちでさえ上記の表現を使っています。
「なら重言なんて気にしないでいいのか」と言われれば、それも違います。
重言の中にも、使わない方が良いと呼ばれる表現もあります。
例えば下記の例文を読むと、多少の違和感は覚えども、意味は通じると思います。
しかし、この文章は使わない方が良い重言をわざと使った文章です。元旦の朝にさ、急に馬に乗ろう!と思って馬に乗ったんだけども、馬から落馬しちゃってさ、乗らなきゃ良かったってあとで後悔したよ。[/note]
上の文章の悪い点を具体的に上げると・・・元旦の朝
⇒元旦は「元旦の朝」のことを指しているので、「朝」を使うのは重言になる。正しい使い方は「元旦」。
馬から落馬
⇒落馬は「馬から落ちる」ことを指しているので、「馬から」を使うのは重言になる。正しい使い方は「落馬する」。
あとで後悔
⇒「後悔」は「あとで」のことを指しているので、「あとで」を使うのは重言になる。正しい使い方は「後悔する」。と、なります。
2.ビジネスマンも気を付けたい重言表現
ライター以外にもビジネスの場でメールを送るときや、冠婚葬祭などで文章を書くときは、下記のような重言表現は気を付けるようにしましょう!尽力(じんりょく)を尽(つ)くす
⇒「尽力」には「力を尽くす」という意味もあるので、「尽くす」を使うと重言になる。推奨される使い方は「尽力します」。
被害を被(こうむ)る
⇒「被害」は「受けた側」のことをさすので、「被る」を使うと重言になる。推奨される使い方は「被害を受ける」。
返事を返す
⇒「返事」は「相手に対して答えを返す」という意味もあるので、「返す」を使うと重言になる。推奨される使い方は「返事をする」。
今の現状
⇒「現状」は「今」の意味も含んでいるので「今の」を使うと重言になる。推奨される使い方は「現状」。
最後の追い込み
⇒「追い込み」は「最後」の意味も含んでいるので「最後の」を使うと重言になる。推奨される使い方は「追い込み」。
これらの言葉は、一般的に使うべきではないと言われている重言表現の中の一部になります。
3.重言は禁止されているのか?
重言に関して明確に禁止しているルールは存在しません。
ただ、読者が読みやすい・理解しやすい文章を作らなければいけない「ライター」という職業の人たちにとって、重言は無視できない存在です。
重言に対する考え方、解釈の仕方は人によって大きく異なります。
編集者の中でも、重言の使用をとことん嫌う人もいれば、特に気にしない人もいます。
しかし、仕事において常に最悪の結果を想定することは大切です。
Webという不特定多数の人に読まれる媒体で文章を書くときは、細かな日本語のルールに配慮するようにすると、より良い文章が書けるようになりますよ!
4.バックナンバー
【文章上達講座vol.1】誤字脱字のチェック方法とツール紹介
LEAVE A REPLY