近年はPCサイトだけでなく、スマホ向けのサイトを作成することも当たり前になってきました。各デバイス向けのサイトを作るということは、それぞれのURLが異なることもありますが、コンテンツは同じなのにURLが異なることによって生じるSEO上の問題点があります。これを解消しないとせっかくスマホ向けサイトを作っても検索エンジンの評価が上がらないどころか下げてしまうことにつながる場合もあり、注意が必要です。
PCサイトとスマホサイトを一緒に作るうえでの「アノテーション」の設定について、詳しく説明していきます。
アノテーションとは?
アノテーションとは、PCやスマホなど各デバイス向けに作られた別々のURLが存在することを検索エンジンに認識させる設定のことをいいます。PCサイトだけでなくスマホサイトなどを一緒に公開する際は設定するようにしましょう。
PCサイトとスマホサイトそれぞれのheadタグのなかに適切なタグを組み込むことで、PCサイトとスマホサイトの両方が存在することを検索エンジンに認識させることができます。
どんな場合にアノテーションをする?
PC向けサイトとスマホ向けサイトの内容(コンテンツ)がまったく同じなのにそれぞれのURLが異なるときがあります。こういう場合にアノテーションの措置を取ります。
例えば以下のようなURLの場合、
PCサイト http://example.com/
スマホサイト http://sp.example.com/
同じ内容なのに違うURLが2つあることがわかるでしょう。
検索エンジンはそれぞれが違うサイトであると認識できないことがあり、結果的に「重複サイトがいくつもある」と認識されて検索評価が落ちる可能性があるのです。
これを解消する措置が、アノテーションということになります。
アノテーションの設定方法は?
PCサイト、スマホサイトそれぞれのページ内に指定のタグを設定します。
PCサイトの場合はheadタグのなかに「link rel=“alternate」を入れて、スマホサイトのURLを指定します。同様に、スマホサイトの場合はheadタグのなかに「rel=”canonical」を入れて、PCサイトのURLを指定します。
これにより「PCサイトのほかにスマホサイトがある」、また「スマホサイトのほかにPCサイトがある」ということを両方のサイトから検索エンジンに認識させることができます。
PCサイト(トップページ)
PCサイト内に、「スマホサイトも存在する」ということを認識させるためのタグを入れます。
<link rel=”alternate” media=”only screen and (max-width: 640px)” href=”http://sp.example.com/” />
このようにalternateタグを指定することで検索エンジンは「対応する内容のスマホサイトがある」ことを認識し、その関係性によって検索評価をするのです。
スマートフォンサイト(トップページ)
スマホサイト内に「PCサイトも存在する」ということを認識させるためのタグを入れます。
<link rel=”canonical” href=”http://example.com/” />
このようにcanonicalタグを指定することで、PCサイトとスマホサイトは相互に関係しているということを検索エンジンが認識するようになります。
アノテーションをしていない場合のSEOにおける問題とは?
検索エンジンは基本的に「重複コンテンツは同時に表示させない」という特性を持ちます。アノテーションを設定しないといずれのURLも重複コンテンツと見なされてしまう可能性があるのです。重複コンテンツがあると検索評価は下がってしまい、上位表示が難しくなります。
アノテーションをしないと、被リンクの評価が下がる可能性も否めません。本来であれば一つのURLに被リンクが集中しているような形が評価を得やすいですが、アノテーションをしないと被リンクの評価が分散してしまいます。被リンク対策という点でもPCサイトとスマホサイトの関連性をしっかりと検索エンジンに認識させることが重要です。
また、Googleはモバイルフレンドリーアップデートと呼ばれる、スマホ対応しているサイトを適切に評価するアップデートを行いました。アノテーションを行っていればPCでの検索にはPC向けのページが、スマホでの検索にはスマホ向けのページが表示されるようになりますが、アノテーションがされていなければどちらのページが表示されるのかが制御できなくなります。
アノテーションとは、このような重複評価や被リンクの分散評価を避け、スマホ対応を行っていることを適切に伝えるためのSEO対策といえます。
近年の検索エンジンは、スマホサイトの最適化にも力を入れています。PCサイトとスマホサイトで内容が重複しているのに「別々のURL」として見られると検索評価は下がってしまうのです。
細かいことではありますが、このようなSEO対策を怠ると検索上位表示の可能性も低くなります。せっかくPC向け、スマホ向けのそれぞれのデバイスでコンテンツを配信するわけですから、Googleに適切に評価されるようベストなSEO対策を心がけましょう。
モバイルを優先したサイト運営を
今回ご紹介した内容は2017年当時の見解ですが、ほぼ全サイトにMFIが実装されている2020年現在ではまずはモバイルを第一に考えたサイト運営が必要です。
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